別の免許を持つ人は学科試験が免除される
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普通免許を持っている人が合宿で二輪免許を取る。二輪免許を持っている人が合宿で普通免許を取る。どちらも珍しくない組み合わせですが、「学科試験からもう一度受け直すのか」が気になるところです。
運転免許の学科試験は卒業後も残るで確認したとおり、指定自動車教習所(卒業すると技能試験が免除される教習所)を卒業しても、学科試験は免除されません。試験場で受けることになります。ただしこれは、免許を初めて受ける人の話です。 既に別の運転免許を持っている場合は、道路交通法施行令に別の基準が置かれています。
委任の根拠(道路交通法97条の2第4項)
学科試験を含む運転免許試験の一部免除は、法律の中では基準の中身までは決めていません。公安委員会(免許を出している都道府県の機関)が政令の基準に従って判断する、という形で政令に委任しています。
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第一項及び前項に定めるもののほか、公安委員会は、政令で定める基準に従い、免許を受けようとする者が当該免許に係る自動車等を運転することが支障がないと認めたときは、運転免許試験の一部を免除することができる。
この「政令で定める基準」にあたるのが、道路交通法施行令34条の5です。
本免許の学科試験(施行令34条の5第1項1号)
施行令34条の5第1項はこう始まります。
法第九十七条の二第四項の政令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。
第一種運転免許(普通免許・二輪免許など、旅客を乗せない免許)を受けようとする人の基準は1号にあります。
第一種運転免許を受けようとする者で次のイからハまでに該当するものに対しては、当該イからハまでに定める試験を免除する。
その「イ」が、既に免許を持っている人の条件です。
受けようとする免許の種類と異なる種類の第一種運転免許(小型特殊自動車免許及び原動機付自転車免許を除く。以下この条において同じ。)又は第二種運転免許を現に受けている者
対応する試験は「学科試験」です。条件は、今から受けようとする免許とは違う種類の第一種免許か、第二種免許を持っていることです。これに当てはまれば、本免許の学科試験は免除されます。普通免許を持っている人が二輪免許を受けようとする場合は、この条件に当てはまります。二輪免許を持っている人が普通免許を受けようとする場合も同じです。
括弧の中に注意点があります。小型特殊自動車免許と原動機付自転車免許は、ここでいう「第一種運転免許」に数えません。原付免許しか持っていない人が普通免許や二輪免許を受けようとする場合は、この免除の対象外です。
もう1つ、条文の言い方にも注意が要ります。「現に受けている者」とあるので、今その免許を持っていることが条件です。 過去に持っていたが更新を忘れて失効した、という状態では「現に受けている」に当てはまりません。合宿の申し込み前に免許証の有効期限を確認しておくと、当日になって条件を外れていたということを避けられます。更新を受けなかった場合の扱いは免許が失効しても6か月以内なら学科と技能が免除されるに別にまとめました。
第二種免許(バス・タクシーなど旅客を運ぶための免許)を持っている人にも同じ1号が適用されます。第二種免許は第一種免許の運転範囲を含んでいるため、二輪免許を新たに受けようとする場合も学科試験は免除されます。
仮免許の学科試験も同じ条件で免除される(施行令34条の5第1項3号)
合宿では、本免許の前に仮免許の学科試験があります。こちらにも同じ発想の免除があります。
仮運転免許を受けようとする者で次のイからニまでに該当するものに対しては、当該イからニまでに定める試験を免除する。
その「イ」です。
第一種運転免許又は第二種運転免許を現に受けている者
条件は本免許のときよりも単純です。「受けようとする免許の種類と異なる」という限定が付いていません。第一種免許か第二種免許を何か1つでも持っていれば、仮免許の学科試験も免除されます。
| 段階 | 条件 | 免除される試験 |
|---|---|---|
| 仮免許 | 第一種免許か第二種免許を持っている | 学科試験(施行令34条の5第1項3号イ) |
| 本免許 | 受けようとする免許と異なる第一種免許か、第二種免許を持っている | 学科試験(同条同項1号イ) |
仮免許のほうが条件がゆるいのは、仮免許の学科試験の性質によるものと読めます。「これから路上に出て練習してよいか」を見る簡易な試験で、本免許の学科試験ほど範囲が広くないためです。ただし条文が理由を書いているわけではないので、ここは条文の構造からの推測にとどめます。
免除されないもの
学科試験が免除されても、次の2つは免除されません。
- 技能試験・技能検定。 施行令34条の5が免除の対象としているのは学科試験だけで、運転の技能を見る試験は別です。免許の種類が違えば、運転する車両も操作も変わるためです。
- 適性試験(視力などの検査)。 仮免許の同乗者は通算3年以上や失効から6か月以内の学科・技能免除でも共通ですが、適性試験は別枠です。どの免除にも含まれません。
合宿の教習所内でも、既に二輪免許を持っている人は学科教習の一部が短くなり、その分だけ料金が下がる学校があります。これは施行令別表第四が定める教習カリキュラムの話です。試験場で受ける学科試験そのものの免除(施行令34条の5)とは根拠が別です。料金への出方は合宿免許を安い順に並べるにまとめました。
初めて免許を取る人が二輪と普通をまとめて取得する場合は、この記事の対象外です。免許ごとに教習が別々に進む点は普通二輪を合宿で一緒に取る場合を確認してください。
合宿免許での手続き
学科試験が免除されるかどうかは、教習所側が自動的に判定してくれるものではありません。申し込みの時点で、既に持っている免許の種類を伝えておく必要があります。
記事末尾に挙げた合宿免許受付センターは、各地の教習所を取り次ぐ窓口です。申し込みフォームや電話で「取得済みの免許」を聞かれるのはこのためです。免除の判定に関わる項目なので、正確に伝えることになります。
この記事で確かめたこと
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