免許が失効したら|6か月・1年・3年の違い
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更新の通知に気づかないまま期限を過ぎた、という状況があります。そこから取り直す場合、いつ気づいたかで手間がまったく変わります。
このページは、失効がいつ起きるのかと、取り直しの負担が変わる境目を道路交通法の条文から確認します。
失効は「更新を受けなかったとき」に起きる
免許は、更新を受けなかった時点で効力を失います。通知が届いたか、気づいたかは関係ありません。根拠は道路交通法105条です。
道路交通法105条を開く
免許は、免許を受けた者が免許証等の更新を受けなかつたとき(免許証及び免許情報記録個人番号カードを有する者にあつては、免許証の有効期間の更新及び免許情報記録の有効期間の更新のいずれをも受けなかつたとき)は、その効力を失う。
失効した後に運転すれば無免許運転になります。免許証が手元にあることと、免許が有効であることは別です。うっかり期限を過ぎた場合、運転できない状態がもう始まっています。
6か月以内なら試験が免除される(道路交通法97条の2第1項3号)
失効した日から6か月以内なら、所定の講習などを受けたうえで、学科と技能の試験が免除されます。海外旅行や災害などやむを得ない理由があるときは、失効から3年以内で、事情がやんだ日から1か月以内まで延びます。免除を定めているのは97条の2第1項で、失効した人を対象にしているのがその3号です。
97条の2第1項を開く
第百一条第一項の免許証等の更新を受けなかつた者(政令で定める者を除く。)で、その者の免許が第百五条の規定により効力を失つた日から起算して六月(海外旅行、災害その他政令で定めるやむを得ない理由のため、その期間内に運転免許試験を受けることができなかつた者にあつては、当該効力を失つた日から起算して三年を経過しない場合に限り、当該事情がやんだ日から起算して一月)を経過しないもの(以下「特定失効者」という。)のうち、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める検査及び講習又は教育を内閣府令で定めるところにより受けたもの
6か月通常
どんなとき失効した日から6か月を経過しないこと
3年やむを得ない理由があるとき
どんなとき海外旅行、災害その他政令で定める理由。失効した日から3年を経過せず、かつ事情がやんだ日から1か月以内
やむを得ない理由があっても、事情がやんだ日から1か月以内という条件が重なる
やむを得ない理由として、条文は海外旅行と災害を挙げ、そのほかは政令に委ねています。忙しかった、忘れていた、という理由はこの枠に入る書き方になっていません。
末尾に「検査及び講習又は教育を内閣府令で定めるところにより受けたもの」とあるので、期間内なら自動的に免除される、というものではありません。所定の講習を受けることが前提です。
免除されるのは適性試験以外(97条の2第1項)
免除されるのは学科と技能の試験で、視力などを見る適性試験は受けます。免除の範囲は、3号の中で次のように区切られています。
その者が受けていた免許に係る運転免許試験(前条第一項第一号に掲げる事項についてのものを除く。)
除かれている「第一号に掲げる事項」が適性試験にあたる部分です。取り直しの流れは、試験場で適性検査と講習を受けて再交付を受ける形になります。この免除の要件を満たせば、教習所に通い直す必要はありません。
「講習」と「教育」は別のもの(108条の32の2)
講習は公安委員会(免許を出している都道府県の機関)が行い、教育は教習所などが行います。失効した人は、試験免除の要件を教習所の課程で満たす道もあります。教育の定義は108条の32の2にあります。
108条の32の2を開く
免許(仮免許を除く。)を現に受けている者又は特定失効者若しくは特定取消処分者に対しその運転技能を向上させるとともに道路交通に関する知識を深めさせるための教育(以下「運転免許取得者等教育」という。)を、自動車教習所である施設その他の施設を用いて行う者は、国家公安委員会規則で定めるその課程の区分ごとに、当該施設の所在地を管轄する公安委員会に申請して、当該施設において当該課程により行う運転免許取得者等教育が次の各号のいずれにも適合している旨の認定を受けることができる。
公安委員会は認定する側で、対象に「特定失効者」が名指しされています。仮免許が対象から除かれているので、この教育は免許を取ったあとの人に向けたものです。
過ぎるとどうなるか
6か月を過ぎても、直ちに初めて取る人と同じにはなりません。警視庁の案内では、やむを得ない理由がなくても失効後6か月超1年以内で、以前に普通・準中型・中型・大型免許を受けていた人には、対応する仮免許の学科・技能試験の免除があります。適性試験などの手続きは必要です。失効日と免許種別を試験場へ伝え、利用できる特例を先に確認してください。
進み方は、試験場で直接受けるか、指定自動車教習所(卒業すると技能試験が免除される教習所)に通うかです。どちらでも取れますが、技能試験の免除があるかどうかで難易度が変わります。免除の仕組みは指定自動車教習所とは何が違うのかで条文をたどりました。免除しているのは教習所ではなく法律のほうです。
教習所で取り直す場合
教習の開始段階は、仮免許の有無や利用できる免除で変わります。仮免許を取得できる特例がある場合は、仮免許所持者向けの教習を受けられるか確認します。
期間をまとめて確保できるなら合宿という選択肢が出てきます。このとき効いてくるのは、教習を中断しない日程を組めるかどうかです。教習期限や仮免許の有効期間は、途中で長く空けると足りなくなります。起算点がそれぞれ違うので、教習期限は9か月、仮免許は6か月を先に見てください。仮免許で路上に出るときの同乗者と標識の条件は仮免許の同乗者は通算3年以上、第二種なら21歳以上に整理しました。以前に免許を持っていたことは、この条件を外す理由にはなりません。
探す先は、窓口を通す形と、教習所を直接あたる形があります。合宿免許受付センターは、公式サイトに「取り扱い教習所一覧」を置き、ページタイトルも「合宿免許の教習所比較」です。自ら教習所を運営するのではなく、取次を行う窓口です。そのため指定の有無は、取り次がれる教習所ごとに確かめることになります。
直接あたる場合の例が遠鉄自動車学校です。静岡県内にグループ6校を持つ教習所そのもので、公式サイトに「静岡県公安委員会指定の自動車学校として」とあります。
窓口を通すと複数の教習所を並べて比べられ、直接あたると確かめる相手が教習を行う当事者そのものになります。比べたいか確かめたいかで選び方が変わります。
無免許運転の重さは条文にある
失効した免許では運転できません。無免許運転についての罰は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(道路交通法117条の2の2第1項1号)。停止中に運転した場合も同じ号に入ります。1号の括弧に「効力が停止されている場合を含む」とあるためです。
道路交通法117条の2の2第1項1号を開く
法令の規定による運転の免許を受けている者(第百七条の二の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が一年を超えている場合を含む。)運転した者
失効への認識などを含めた刑事責任は、条文のこの部分だけで判断できません。失効に気づいたら運転をやめ、手続きに行く際も自分で運転しないでください。
停止処分とは別のもの
違反による免許の停止は、期間が終われば元の免許に戻ります。失効は戻らないので、免除の枠を使うか、取り直すかです。停止は違反や事故を理由に公安委員会が行う処分で、取り直しは発生しません。停止の期間を講習で短くできる仕組みは免停の講習と短縮できる期間にまとめました。失効のほうには、これに当たる仕組みがありません。どちらの状態にあるのかで進む先が変わるので、まずそこを分けてください。
なお、失効した人は運転経歴証明書の交付を申請できる規定も置かれています。運転していた経歴を示す書面で、身分証明として使われることがあります。
気づいた時点でやること
境目は失効した日から6か月です。 まず失効した日を確定させてください。免許証に書かれた有効期限の翌日からです。
期間内であれば試験場での手続きになるので、住所地を管轄する運転免許試験場か警察署に、必要な持ち物を電話で確認するのが早い順序です。必要書類や講習の実施日は都道府県ごとに案内が違います。6か月を過ぎていても、1年以内の仮免許の特例や、やむを得ない理由の扱いを先に確認します。
優良運転者の判定に使う継続期間には、失効の理由などによる特例があります。失効したら一律にゼロからとは判断せず、試験場で確認してください。条件の読み方はゴールド免許の条件は5年と無違反に整理しました。違反の点数も免許を受けていた期間で数え、失効している期間は進みません。計算のしかたは免許の点数がリセットされる条件にまとめました。
更新できる期間がいつからいつまでなのかは免許の更新期間は誕生日をはさむに整理しています。他県を経由して出す場合だけ締切が早い点は、見落とされやすいところです。
取り消しを受けた場合や、失効中に取り消しに当たる事情があった場合は、試験の前に講習が要ります。期限があるので順番に注意してください。取消処分者講習は1年以内でないと無効になるにまとめました。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
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