運転免許の学科試験|合格率と、卒業後に残る1つ
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合宿の日程は、卒業証明書を受け取るところで終わります。免許証はその先にあって、試験場でもう1つ試験を受けます。
申し込む前に、そこまで含めて予定を立てておくことになります。
免除されるのは3つのうち1つ
道路交通法97条1項は、運転免許試験の中身を3つに分けています。
運転免許試験は、免許の種類ごとに次の各号(小型特殊免許及び原付免許の運転免許試験にあつては第一号及び第三号、牽引免許の運転免許試験にあつては第一号及び第二号)に掲げる事項について行う。
各号は、1号が適性、2号が技能、3号が知識です。
指定自動車教習所(都道府県の公安委員会の指定を受けた教習所)を卒業したときに免除されるのは、このうち2号だけです。97条の2第1項2号がこう書いています。
97条の2第1項2号を開く
第九十九条の五第五項に規定する卒業証明書(同項後段に規定する技能検定員の書面による証明が付されているものに限る。)を有する者で当該卒業証明書に係る技能検定を受けた日から起算して一年を経過しないもの又は同項に規定する修了証明書(同項後段に規定する技能検定員の書面による証明が付されているものに限るものとし、政令で定めるものを除く。)を有する者で当該修了証明書に係る技能検定を受けた日から起算して三月を経過しないもの当該卒業証明書又は修了証明書に係る免許に係る前条第一項第二号に掲げる事項についての運転免許試験
末尾に「前条第一項第二号に掲げる事項についての」とあります。つまり免除されるのは技能の試験だけで、1号の適性と3号の知識は残ります。
1号 適性
- 卒業証明書があっても受ける
2号 技能
- 免除される
3号 知識
- 卒業証明書があっても受ける
免除は2号だけ。1号の適性と3号の知識は残る
同じ条文に有効期間も入っています。卒業証明書は技能検定の日から1年、修了証明書は3か月です。仕組みは指定自動車教習所とは何が違うのかにあります。
「技能検定員の書面による証明」に何が書かれるか
括弧の中に条件が1つ入っています。免除されるのは「同項後段に規定する技能検定員の書面による証明が付されているもの」です。証明が付いていない卒業証明書では、技能の試験は免除されません。
その証明に何を書くかは、道路交通法施行規則34条の2第3項が決めています。
法第九十九条の五第五項後段に規定する技能検定に合格した旨の証明は、次に掲げる事項を記載した書面に当該技能検定を行つた技能検定員が署名又は記名押印をして行うものとする。
並ぶのは6つです。技能検定に係る免許の種類、技能検定の種別、技能検定に合格した者の住所・氏名・生年月日。技能検定の年月日、技能検定に用いた自動車の種類、証明を行つた年月日です。
受け取ったその場で数えられます。6つのどれかが抜けていたり、署名も記名押印も無かったりすれば、試験場で免除が受けられない可能性があります。
同条1項は、卒業証明書を発行する相手も決めています。卒業証明書は卒業検定に合格した者に、修了証明書は修了検定に合格した者に発行するものです。様式も別記様式第十九の五と第十九の六として定められています。
合格率は69.6%だった
警察庁は毎年、免許試験の受験者数と合格者数を公表しています。警察白書の統計資料にある表です。
5-15 運転免許試験の種類別の受験者数及び合格者数(令和5年及び令和6年)
2026年8月24日にこの表を開いて、第一種普通免許のところを取り出しました。
| 令和5年 | 令和6年 | |
|---|---|---|
| 受験者数 | 1,582,228 | 1,639,270 |
| 合格者数 | 1,164,801 | 1,141,345 |
| 合格率 | 73.6% | 69.6% |
受験者が増えているのに合格者は減っていて、合格率が4ポイント下がっています。
この数字は「卒業した人の合格率」ではありません。受験者には、教習所に通わずに試験場で受ける人(一発試験)も含まれます。そちらの合格率は低いので、卒業者だけを取り出せばもっと高くなるはずですが、この表からは分けられません。一発試験の話は一発試験で免許を取るにまとめました。
参考までに、仮免許のほうは受験1,448,931人・合格1,163,898人で80.3%でした。
言えるのは、卒業証明書を持っていても、試験場で落ちる人がいるということです。日程を組むときは、1回で通る前提にしないほうが安全になります。
種類別に並べると、普通免許がいちばん低い
同じ表に他の種類も出ています。令和6年の第一種免許を、合格率の低い順に並べました。
| 種類 | 受験者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 普通 | 1,639,270 | 69.6% |
| 普通二輪 | 240,910 | 80.4% |
| 準中型 | 101,678 | 85.1% |
| 大型二輪 | 87,980 | 85.5% |
| 大型 | 60,620 | 90.6% |
| 中型 | 134,091 | 97.2% |
普通免許がいちばん低く、受験者数はいちばん多いという形です。全種類を合わせた合格率(73.2%)よりも下にあります。
理由をこの表から特定することはできませんが、普通免許は初めて免許を取る人がほとんどで、中型や大型はすでに免許を持っている人が受けるという違いがあります。種類ごとの条件は運転免許の種類は法令で決まるにまとめました。
この記事で「学科試験は免除されない」と書いたのは、免許を初めて受ける人の話です。既に別の免許を持っている場合は、政令が別の基準を定めていて、学科試験が免除されることがあります。条件は別の免許を持つ人は学科試験が免除されるにまとめました。
二輪を同時に取る場合は、それぞれの試験を受けることになります。組み合わせ方は合宿で二輪を同時に取るにあります。
教習所は5年で18校減っている
もう1つ、申し込む前に知っておくとよい数字があります。
5-17 指定自動車教習所の数の推移(令和2年~令和6年)
| 年 | 指定自動車教習所の数 |
|---|---|
| 令和2年 | 1,306 |
| 令和3年 | 1,300 |
| 令和4年 | 1,295 |
| 令和5年 | 1,291 |
| 令和6年 | 1,288 |
5年で18校減りました。1年あたり4〜5校の減り方で、急ではありません。
ただし合宿を受け入れている教習所は全国1,288校の一部です。受け入れ枠は建物と車両と指導員の数で決まるので、需要が増えても増えません。繁忙期に枠が取りにくい理由がここにあります。時期の選び方は合宿免許の安い時期はいつかにまとめました。
どこで受けるかも決まっている
合宿を遠くの県で受けても、学科試験は住民票のある都道府県の試験場で受けます。合宿先の県で済ませることはできません。
合宿の教習所は住んでいる場所から離れた地方にあることが多いので、「近くの試験場で受けられないか」という疑問が出ます。答えは道路交通法89条1項にあります。
道路交通法89条1項を開く
免許を受けようとする者は、その者の住所地(仮免許を受けようとする者で現に第九十八条第二項の規定による届出をした自動車教習所において自動車の運転に関する教習を受けているものにあつては、その者の住所地又は当該自動車教習所の所在地)を管轄する公安委員会に、内閣府令で定める様式の免許申請書(次項の規定による質問票の交付を受けた者にあつては、当該免許申請書及び必要な事項を記載した当該質問票)を提出し、かつ、当該公安委員会の行う運転免許試験を受けなければならない。
原則は住所地を管轄する公安委員会です。括弧の中にある例外は仮免許についてのもので、教習所の所在地でも受けられるという話です。本免許のほうにこの例外はありません。
受付の時間帯や実施の曜日は都道府県ごとに違い、条文には書かれていません。試験場の公式ページで先に確かめておくことになります。午前中しか受け付けていない試験場もあるので、遠方から日帰りで行く場合は前日のうちに移動時間を計算しておくほうが安全です。
落ちた場合は、別の日にもう一度受けます。受験のたびに手数料がかかり、その日の予定も1日ぶん使うことになります。合宿の料金には含まれない費用なので、そこも見込んでおいてください。
申し込む前に押さえる日程
合宿の案内に出ている日数は、入校から卒業までです。その先に次が残ります。
- 住民票のある都道府県の試験場へ行く日(1日)
- 適性試験と学科試験
- 免許証の交付
試験場へ行く日は平日です。 学校や仕事の予定と合うかを、合宿の日程を決める前に見ておくことになります。
卒業証明書の有効期間は1年あるので、すぐに行けなくても失効はしません。ただし忘れると期限が来ます。手続きの中身は卒業証明書の有効期限と免許証を受け取るまでにまとめました。
窓口も「卒業しても免許証は出ない」と案内している
ここは申し込む前に取り違えやすいところなので、窓口側の書き方も見ておきます。
このサイトが載せている合宿免許受付センターは、よくある質問で「合宿免許の卒業と同時に運転免許証は発行されますか?」に対して「いいえ、発行されません。」と答えています(2026年8月30日確認)。卒業検定に合格すると卒業証明書が発行されて卒業となり、その証明書には1年間の有効期限があること、住民票登録の都道府県にある運転免許試験場で適性試験と学科試験に合格して初めて免許証が発行されることまで書かれています。
合宿の日程には、この試験場へ行く日が入っていません。帰ってきてから自分で行く日を作ることになるので、入校の日程を決める段階で、そのぶんの1日も一緒に見ておいてください。
静岡県公安委員会指定の遠鉄自動車学校も、同じことをよくある質問に書いています。「卒業をしてすぐに免許証が交付されるわけではありません」とし、卒業証明書発行日から1年以内に住民票の住所地の運転免許センターで適性検査と本免許学科試験を受験する、と説明しています(2026年9月5日確認)。
**窓口の合宿免許受付センターと、指定自動車教習所そのものの遠鉄自動車学校で、説明の中身は同じです。**この試験場へ行く日程は、どこで合宿を受けても付いてきます。
この記事で確かめたこと
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- 3件(法令 2)
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