準中型免許は18歳から運転経験なしで取れる
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18歳で初めて免許を取るとき、ほとんどの人は普通免許を選びます。でも、就職先で荷物を運ぶ仕事をするつもりなら、比べる相手がもう1つあります。準中型免許です。これも18歳から、運転経験なしで取れます。
どちらを選ぶかで、乗れる車と教習の量が変わります。条文で決まっている部分だけを並べて比べます。
何が運転できるかの違い
免許の種類は法律で分かれていて、車のほうも重さで区分されています。一覧は運転免許の種類は法律で19に分かれるにまとめました。
比較に効く線だけ抜き出すとこうなります。
普通免許
- 車両総重量 3.5トン未満
- 最大積載量 2トン未満
- 普通自動車は運転できる
準中型免許
- 車両総重量 7.5トン未満
- 最大積載量 4.5トン未満
- 普通自動車は運転できる
違うのは重量と積載量の上限だけ。どちらも普通自動車は運転できる
境目を決めているのは施行規則第2条です。準中型自動車の行には、車両総重量3,500キログラム以上7,500キログラム未満、最大積載量2,000キログラム以上4,500キログラム未満とあります。条文の逐語は上の記事に引用してあります。
裏を返すと、最大積載量が2トン以上ある車は、普通免許では運転できません。配送で使われるトラックには、この線を超えるものが多くあります。
道路交通法第85条第2項の表も見ておきます。準中型免許を受けた者は、普通自動車・小型特殊自動車・一般原動機付自転車も運転できます。つまり準中型を取れば普通車にも乗れます。逆はできません。普通免許で乗れるのは、区分のどれにも該当しない3.5トン未満の車までです。
年齢の条件は同じ(道路交通法96条1項・3項)
「準中型はトラックの免許だから年齢が上」と思われがちですが、年齢の条件は普通免許と同じです。
受験資格を定める第96条は、1項のただし書きで準中型と普通を並べて同じ扱いにしています。
ただし、準中型免許及び普通免許の運転免許試験にあつては、十七歳六か月以上の者(同項第二号から第四号までのいずれかに該当する者を除く。)も受けることができる。
仮免許が17歳6か月から、免許が与えられるのは18歳から。この3段階の仕組みは合宿免許を申し込む前の確認に書いたとおりで、準中型も普通とまったく同じです。
年齢で差がつくのは、その上の中型免許からです。
全文を開く(157字)
中型免許の運転免許試験を受けようとする者(政令で定める者を除く。)は、準中型免許、普通免許又は大型特殊免許を現に受けている者に該当し、かつ、これらの免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年(政令で定める教習を修了した者にあつては、一年)以上の者でなければならない。
中型は、免許を受けていた期間が通算2年以上ないと受験できません。初めて免許を取る人がいきなり受けられる貨物向けの免許は、準中型までです。「最初から準中型」という選び方が成り立つのは、この条文があるからです。
教習の量は準中型のほうが多い
教習所で受ける教習の最低時限数は、施行規則の別表第四に免許ごとに定められています。初めて免許を取る場合(現に受けている免許がない場合)の数字を抜き出します。
| 初めて取る場合 | 技能教習 | 学科教習 |
|---|---|---|
| 普通免許(MT) | 35時限 | 26時限 |
| AT限定普通免許 | 31時限 | 26時限 |
| 準中型免許 | 42時限 | 27時限 |
| AT限定準中型免許 | 38時限 | 27時限 |
この表において、教習時間は、1教習時限につき50分とする。
1時限は50分です。技能で数時限から11時限の差があるので、合宿の日程も準中型のほうが長くなります。なお別表には準中型のAT限定も並んでいて、技能が4時限少なくなっています。ただし、仕事で使う車にMTが残っているかは職場によります。AT限定にするかどうかは、就職先の車を確かめてから決めるほうが安全です。
条文にあることと、申し込めることは別
ただし別表に並んでいても、実際に選べるとは限りません。
このサイトが載せている合宿免許受付センターは、免許の種類のページで「準中型免許はMT車のみです。AT車限定はありません。」と案内しています(2026年8月31日確認)。
| 条文の別表 | 窓口の案内 | |
|---|---|---|
| AT限定準中型 | 技能38時限・学科27時限で並んでいる | 「AT車限定はありません」 |
どちらかが間違っているわけではありません。制度として区分があることと、教習所がその課程を開いていることは別です。準中型を必要とする貨物の車はMTが多いので、開いても人が集まらないという事情が考えられます。
だから読者がやることは決まります。AT限定準中型を考えているなら、申し込む前にその教習所が扱っているかを聞くことです。条文にあるからといって、どの教習所でも選べるとは限りません。
同じ窓口は、同ページで準中型が18歳から運転経験なしで取れるようになったことも「これまでは年齢制限および運転経験が必要でした」と併記しています。上で見た改正の内容と一致します。1日に受けられる技能教習に上限がある仕組みは合宿免許のスケジュールと最短日数に書きました。
数字は2026年7月31日施行の版(法令ID 335M50000002060)で確認したものです。
教習所の案内と数字が違うとき
教習所の案内やまとめサイトには、この表と違う数字が広く載っています。「普通(MT)は34時限」「準中型は41時限」というものです。これは誤記ではなく、改正前の別表の数字です。
法令APIで過去の版を並べて確かめました。
| 施行日 | 普通(MT)の技能 | 準中型の技能 |
|---|---|---|
| 2025年3月31日まで | 34時限 | 41時限 |
| 2025年4月1日から | 35時限 | 41時限 |
| 2026年4月1日から | 35時限 | 42時限 |
普通(MT)は、2025年4月1日施行の改正で34時限から35時限になりました。準中型は、2026年4月1日施行の改正で41時限から42時限になっています。AT限定の準中型免許が別表に加わったのも、このときです。事業者のページは法改正より更新が遅れることがあるので、数字が食い違っていたら、新しいほうを教習所に直接確かめてください。
あとから準中型にする場合との比較
普通免許を先に取って、あとから準中型を取ることもできます。その場合の別表の時限数は、技能13時限(AT限定からは17時限)・学科1時限です。
合計を並べるとこうなります。
最初から準中型
- 技能 42時限
- 学科 27時限
普通(MT)→ 準中型
- 技能 48時限
- 学科 27時限
AT限定普通 → 準中型
- 技能 48時限
- 学科 27時限
最初から準中型を取るほうが技能6時限少なくて済む。学科は変わらない
最低時限数の合計では、最初から準中型を取るほうが技能6時限少なくて済みます。 2回に分ければ入校の手続きも検定も2回になるので、準中型に乗ることが決まっているなら、分ける理由はあまりありません。
ただしこれは規則が定める最低限の比較です。実際の日数と料金は教習所ごとのプランで決まり、準中型の教習を扱っていない教習所もあります。合宿で取るつもりなら、その教習所が準中型を扱っているかを先に確認してください。
すでに5t限定の準中型を持っている場合(限定解除)
2017年3月11日より前に普通免許を取った人は、いま「準中型免許(5t限定)」を持っている扱いになっています。免許証の条件欄に、その旨が書かれています。
この限定は、道路交通法91条によって付けられたものです。付けるのは公安委員会(各都道府県の、免許を出している機関)です。
道路交通法91条を開く
公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、必要な限度において、免許に、その免許に係る者の身体の状態又は運転の技能に応じ、その者が運転することができる自動車等の種類を限定し、その他自動車等を運転するについて必要な条件を付し、及びこれを変更することができる。
限定を外す手続きは、免許を取り直すのではなく限定解除審査です。道路交通法施行規則18条の5に手続きが書かれています。
道路交通法施行規則18条の5を開く
法第九十一条の規定により運転することができる自動車等の種類を限定された者で、その限定の全部又は一部の解除を受けるため、公安委員会の審査を受けようとするものは、その者の住所地を管轄する公安委員会に、現に受けている免許に係る免許証又は当該免許に係る特定免許情報が記録された免許情報記録個人番号カード(その者が免許証及び免許情報記録個人番号カードを有する場合にあつては、免許証及び免許情報記録個人番号カード)を提示し、かつ、別記様式第十三の五の限定解除審査申請書を提出しなければならない。
読み取れるのは、申請先が住所地を管轄する公安委員会であること、免許証(またはマイナ免許証)を提示すること、そして限定解除審査申請書という決まった様式を出すことです。
条文は免許証とマイナ免許証を並べていて、両方持っている人は両方を出します。2枚持ちの扱いはマイナ免許証は2枚持ちにできるにまとめました。
条文には「全部又は一部の解除」とあります。5t限定を外して準中型に乗れるようにするのは、この一部の解除にあたります。
新しく免許を取り直す場合と、手続きの名前も根拠も違います。教習所で技能教習を受けてから審査を受ける形が一般的ですが、時限数は規則の別表が定める新規取得のものとは別立てなので、通う教習所に限定解除のコースがあるかを先に確かめることになります。
どちらを選ぶかの判断
- 就職先が決まっていて、荷物を運ぶ車に乗る → 求人票に必要な免許が書かれているので、それに合わせる。準中型が要るなら最初から準中型
- 貨物の仕事に就く可能性はあるが、決まってはいない → 準中型なら普通車にも乗れるので、教習の量と費用を許容できるかで決める
- 通勤や買い物など自分の車だけ → 普通免許で足ります
免許の側からは、この3つの分かれ方しかありません。迷いの中身が「MTかATか」のほうであれば、MTとATのどちらで申し込むかに分けて書きました。
もう1つ、先の話も条文から言えます。第96条第3項の「通算して二年」は、準中型免許で数えても構いません。18歳で準中型を取れば、そこから2年の経験と年齢の条件がそろった時点で、より大きい中型免許の受験資格に届きます。貨物の仕事でステップアップしていくつもりなら、最初の1枚を準中型にしておくことは、その入口にもなります。
そのステップアップの側にも合宿があります。遠鉄自動車学校は指定自動車教習所(公安委員会の指定を受けた教習所)で、中型・大型の合宿を扱っています。
ただし受験資格が先に立ちます。準中型を取ってから2年を待たないと、中型の試験は受けられません。政令で定める教習を修了した場合は1年です。いま申し込めるかは、この記事の96条3項の条件で決まります。
費用の面でも差があります。準中型は教育訓練給付の指定講座に入っていますが、普通免許は1件も入っていません。条件と数え方は合宿免許に給付金は使えるかにまとめました。
この記事で確かめたこと
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