マイナ免許証は2枚持ちにできる
本サイトはアフィリエイト広告(PR)を利用しています。
マイナンバーカードに免許の情報を記録する形が選べるようになりました。調べると「2枚持ち」という言葉がよく出てきます。
条文の側では、どちらか一方に決める仕組みにはなっていません。
両方持てるし、いつでも返せる
免許証とマイナ免許証は両方持てます。そのうえで、免許証はいつでも返納できます。
根拠は道路交通法95条の2第4項で、返納する先は住所地を管轄する公安委員会(免許を出している都道府県の機関)です。
免許証及び免許情報記録個人番号カード(その者に係る特定免許情報が記録された個人番号カードをいう。以下同じ。)を有する者は、いつでも、免許証をその者の住所地を管轄する公安委員会に返納することができる。
条文は「有する者は」で始まっていて、両方持っている状態を前提にしています。
同条10項は逆向きで、両方を持つ者はいつでも免許情報記録個人番号カードのほうの記録を消してもらう申請ができます。どちらに寄せるかは、あとから変えられます。
免許証だけ
- 記録を申請できる(1項)
どちらも無い
- 記録を申請できる(1項)
両方持っている
- 免許証を返納できる(4項)
- 記録を消せる(10項)
どちらに寄せるかは、あとから変えられる
消さなければならない場合もある(106条の4第1項)
免許の効力が停止されたときや、更新せずに記録の有効期間が満了したときは、記録を消してもらう義務があります。マイナ免許証を公安委員会に見せて、抹消を受けます。
10項の「消せる」は自分で選ぶ側の話でした。消さなければならない側は106条の4第1項です。
106条の4第1項を開く
免許情報記録個人番号カードを有する者は、次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、速やかに、免許情報記録個人番号カードをその者の住所地を管轄する公安委員会に提示して免許情報記録の抹消を受けなければならない。
「できる」ではなく「受けなければならない」です。免許証だけを持っている人なら、失効しても手元のカードを持っているだけで済みます。マイナ免許証のほうは、提示して抹消を受ける義務が付きます。この義務には罰則もあり、121条1項により二万円以下の罰金又は科料の対象です。
「いつでも返せる」と「返さなければならない場合がある」は別の条にあります。どちらに寄せるかを選べるのは、免許が有効なあいだの話です。失効したときの扱いは免許が失効したら|6か月と3年の線引きにまとめました。
新しく取るときは、免許証を受け取らない選択もできる
これから免許を取る人は、最初からマイナ免許証だけを持つ形にできます。
同条5項により、交付を受ける際に記録を申請できます。6項で免許証の交付を希望しない旨を申し出ると、記録を受けたことをもって免許証が交付され、返納されたものとみなされます。
この申出をするのは、本免許の学科試験に受かって免許を受けるときです。合宿で取った場合も、卒業証明書を持って住所地の試験場へ行く段取りは変わりません。そこまでの流れは運転免許の学科試験|合格率と、卒業後に残る1つにまとめました。
携帯するのはどちらでもよい
免許証を返納していても、マイナ免許証を携帯していれば足ります。
携帯の義務は95条1項にあり、マイナ免許証の扱いは95条の2第7項が決めています。
免許情報記録個人番号カードは、前条の規定の適用については、免許証とみなす。
前条が95条です。携帯と提示の義務について、マイナ免許証は免許証とみなされます。
提示のあとに1つ手順が増えます。同条8項により、警察官は記録を確認するために必要な措置を受けることを求めることができ、求められた側の扱いはこうです。
当該求めを受けた者は、これに応じなければならない。
券面を見せるだけでは終わらず、読み取りに応じることになります。
記録してもらえない場合が2つある(道路交通法95条の2第3項)
申請しても記録されない場合が、同条3項に2つあります。
1つ目は、免許の効力が停止されているときです。停止処分を受けている間は記録できず、処分が終わってからの申請になります。
2つ目は個人番号カードの側の事情で、カードが失効している場合や、記録するための領域が足りない場合などが内閣府令で定められています。他の用途で領域を使っていると入らないことがあります。
カードが失効しても免許は生きている(95条の2)
個人番号カードの有効期限が切れても、免許が無くなるわけではありません。
2つの効力を切り離しているのは、95条の2第9項です。
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定による個人番号カードの失効は、免許情報記録の効力に影響を及ぼさないものとする。
記録される中身は免許証と同じではない
同条2項が、記録される特定免許情報を5つ挙げています。免許情報記録の番号、免許の年月日と有効期間の末日、免許の種類、93条2項の条件に係る事項、そして93条3項により免許証に記載または表示される事項で内閣府令で定めるものです。
本籍・住所・氏名・生年月日は入っていません。 93条1項が免許証の記載事項として挙げているものが、こちらには並んでいません。個人番号カードの側に氏名や住所が載っているので、重ねては記録しません。
5つ目の「内閣府令で定めるもの」に、顔写真が入っている
顔写真は記録されます。上の並びだけを見ると記録が最小限に見えますが、写真は入っています。
5つ目だけが内閣府令に送られていて、送り先は道路交通法施行規則21条の3です。
法第九十五条の二第二項第五号の内閣府令で定めるものは、免許を受けた者の写真その他公安委員会が必要と認める事項とする。
「その他公安委員会が必要と認める事項」が続いているので、ここだけは中身が固定されていません。記録が軽いことを理由に選ぶ場合、見るのは本籍・住所・氏名・生年月日が入らないという点までです。
番号の呼び方も変わります。免許証の番号ではなく「免許情報記録の番号」です。免許証の側の記載事項は免許証の番号の意味にまとめました。
仮免許の条件は記録されない(95条の3)
仮免許のあいだに付く条件は、カードには記録されません。
95条の3が、93条2項の条件の書き方をカード向けに読み替えていて、読み替えた先に「当該条件(仮免許に係るものを除く。)」とあります。条件はカードに電磁的方法で記録されますが、仮免許に係る条件はそこから外れます。
合宿免許では必ず仮免許を経ます。路上教習のあいだに付く条件は、カードの側には残らないという読み方になります。仮免許そのものの扱いは仮免許の同乗者は通算3年以上、第二種なら21歳以上にまとめました。
「電磁的方法」の中身は93条の2が決めている
電磁的方法とは、目で見て読めない形で記録することです。95条の3が指す定義は93条の2にあり、「人の知覚によつて認識することができない方法」としています。
93条の2が記録する先は免許証で、個人番号カードではありません。つまり2枚持ちの人は、電磁的な記録を2か所に持つことになります。免許証の側が93条の2、個人番号カードの側が95条の2です。
別の種類の免許を取ったとき
マイナ免許証なら、カードは手元に残って中身だけが書き換わります。
免許証だけを持っている場合は、92条2項により、新しい免許証と引き換えにいまの免許証を出します。2種類の免許証を並べて持つ形にはなりません。95条の3はこの92条2項を読み替えていて、マイナ免許証の側では「引換えに交付する」が「記録を書き換える」になります。
2枚持ちのまま新しい免許を取る場合は、95条の4第1項により、公安委員会が免許証の交付と記録の書換えの両方を行います。マイナ免許証だけを持っている人の場合は95条の5第1項で、記録の書換えをもって免許を与えたものとされます。免許証は出てきません。
条件を付けたり変えたりしたときも同じ形で、95条の4第2項が記載と記録の両方を行うとしています。2枚持ちだと、2つとも更新されるということです。
どちらも手元に無くなったときの条文がある(107条)
マイナ免許証だけにしていて記録が抹消されても、更新や再交付の手続きは使えます。
免許証もマイナ免許証も持たない状態のための条文が、107条です。
107条を開く
現に受けている免許(仮免許を除く。)について免許情報記録個人番号カードを有していた者であつて、第百三条の二第四項又は第百六条の四第一項第二号の規定による免許情報記録の抹消を受けたことその他の事情により免許証及び免許情報記録個人番号カードのいずれをも有しない者となつたものについては、その直近において有していた免許情報記録個人番号カードを引き続き有している者とみなして、第九十五条の二第十一項、第九十五条の五第二項及び第三項、第百一条から第百一条の四まで(第百一条の二の二第三項を除く。)、第百一条の四の二第三項並びに第百五条の規定を適用する。
「引き続き有している者とみなして」。手元に何も無くても、更新の条(101条から101条の4)や再交付の条が使えるという書き方です。
同じ条には読み替えが1つ付いています。更新をしたときは、記録を書き換えるのではなく「更新をした旨を証する書面を交付して」となります。書き換える先が無いので、紙が出ます。
2枚持ちの人には、この条文の出番がありません。免許証が残っているからです。
住所を変えたときの届出が減る
マイナ免許証だけを持つ人は、住所などを変えたときの届出が減るか、要らなくなります。
95条の5第2項の読み替えで、94条1項の「届け出て、免許証に変更に係る事項の記載を受けなければ」が「届け出なければ」に置き換わります。免許証に書き込んでもらう手間が消えます。
同条3項はさらに進んでいて、国家公安委員会に対して所定の措置を講じている人は、届出そのものが要らなくなります。1号が本籍、2号が住所・氏名・生年月日です。2号は個人番号カードの署名用電子証明書に係る情報の提供を受けられるようにした人で、そちらの手続きで変更が伝わるためです。
免許証だけを持っている場合の手順は免許の住所変更にまとめています。
メリットとデメリットは、条文のどこに出てくるか
条文の側に「便利」「不便」という書き方は出てきません。出てくるのは、義務が減るところと、義務が増えるところです。
減るのは住所などを変えたときの届出で、95条の5第2項と3項にあります。増えるのは提示のあとの扱いで、95条の2第8項にあります。警察官に示したあと、読み取りのための措置に応じる義務がかかります。紙の免許証には無かった手順です。
2枚持ちを選ぶと、減るほうの効果は受けられません。免許証を持ち続けている以上、住所変更の届出は今までどおりです。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 7件
- 出典
- 2件(法令 2)
- 公開
引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。