仮免許の同乗者は通算3年以上、第二種なら21歳以上
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修了検定に受かると仮免許が交付され、そこから路上に出ます。
ただ、仮免許は「運転してよい」という許可ではなく、条件のついた免許です。条件は道路交通法87条に並んでいて、教習所の外に出た瞬間に自分の責任になります。
事故が起きたときに賠償の責任を負う相手は別の法律が決めています。そこは教習所での事故は誰が責任を負うかに分けて書きました。このページは、仮免許の条件を条文から確認します。
何を運転できるか(道路交通法87条2項)
普通仮免許で運転できるのは普通自動車で、使えるのは練習や試験などのときだけです。上位の仮免許なら、下位の車も運転できます。根拠は87条2項の前段です。
87条2項を開く
大型仮免許を受けた者は大型自動車、中型自動車、準中型自動車又は普通自動車を、中型仮免許を受けた者は中型自動車、準中型自動車又は普通自動車を、準中型仮免許を受けた者は準中型自動車又は普通自動車を、普通仮免許を受けた者は普通自動車を、練習のため又は試験等において運転することができる。
条文の末尾が「練習のため又は試験等において」と用途を限っています。買い物に行く、家族を送る、といった目的では使えません。仮免許が4種類に分かれていることを含め、免許全体の区分は運転免許の種類は法律で19に分かれるで確認できます。
この項に並んでいるのは大型・中型・準中型・普通の4つで、二輪はありません。二輪の免許には仮免許にあたる制度が置かれていないためです。普通と二輪を続けて取る場合、片方だけ路上教習があるのはこのためです。
隣に乗せる人の条件が決まっている(87条2項)
助手席に乗せるのは、第一種免許なら取ってから通算3年以上の人、第二種免許なら21歳以上の人です。乗せるだけでなく、その人の指導の下で運転します。条文の言い方は「運転者席の横の乗車装置」です。
全文を開く(257字)
この場合において、仮免許を受けた者は、練習のため自動車を運転しようとするときは、その運転者席の横の乗車装置に、当該自動車を運転することができる第一種免許を受けている者(免許の効力が停止されている者を除く。)で当該免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年以上のもの、当該自動車を運転することができる第二種免許を受けている者(免許の効力が停止されている者及び二十一歳に満たない者を除く。)その他政令で定める者を同乗させ、かつ、その指導の下に、当該自動車を運転しなければならない。
長い一文なので、分解します。
| 条件 | 中身 |
|---|---|
| 座る場所 | 運転者席の横の乗車装置 |
| 第一種免許の人 | その車を運転できる免許で、通算3年以上 |
| 第二種免許の人 | その車を運転できる免許で、21歳以上 |
| 共通 | 免許の効力が停止されていないこと |
| 加えて | その指導の下に運転すること |
「通算して三年以上」なので、停止されていた期間を除いた合計で数えます。免許を取って2年半の人では条件を満たしません。年齢ではなく免許の期間で見る点が読み違えやすいところです。
後部座席では条件を満たしません。「同乗させ、かつ、その指導の下に」と続くので、助手席で寝ていた、スマートフォンを見ていた、という状態は指導とは言いにくくなります。
標識を前と後ろに付ける(87条3項)
練習で運転するときは、車の前と後ろの両方に仮免許の標識を付けます。様式は内閣府令で決まっているので、手書きの紙では代えられません。
仮免許を受けた者は、練習のため自動車を運転しようとするときは、内閣府令で定めるところにより当該自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて当該自動車を運転しなければならない。
教習所の車には最初から付いていますが、自分や家族の車で練習する場合は自分で用意します。用品店やインターネットで入手できるもので、金額としては大きなものではありません。
運転できない用途(87条4項・5項)
仮免許では、お客を乗せて運ぶ運転と、運転代行はできません。どちらも87条が項を分けて名指しで除いています。
仮免許を受けた者は、第二項の規定にかかわらず、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で旅客自動車を運転することはできない。
仮免許を受けた者は、第二項の規定にかかわらず、代行運転普通自動車を運転することはできない。
どちらも「練習のため」に当たらないので当然とも読めますが、条文が別々の項を立てているので、解釈の余地が残りません。
走れない道路もある(施行規則21条の17第1項)
仮免許での練習に、高速道路と自動車専用道路は使えません。著しく混んでいる道路も、練習に適さないときは外れます。法96条の2が内閣府令に任せていて、その中身が道路交通法施行規則21条の17第1項です。
道路交通法施行規則21条の17第1項を開く
法第九十六条の二の内閣府令で定める運転の練習は、高速自動車国道及び自動車専用道路以外の道路(交通の著しい混雑その他の理由により運転の練習を行うことが適当でないと認められる場合における当該道路を除く。)において、次の表の上欄に掲げる練習項目に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる練習細目について、大型免許を受けようとする者にあつては大型自動車、中型免許を受けようとする者にあつては中型自動車、準中型免許を受けようとする者にあつては準中型自動車、普通免許又は普通第二種免許を受けようとする者にあつては普通自動車、大型第二種免許を受けようとする者にあつては乗車定員三十人以上のバス型の大型自動車、中型第二種免許を受けようとする者にあつては乗車定員十一人以上二十九人以下のバス型の中型自動車により行う練習とする。
括弧の中が混雑の条件です。混んでいる道路は、時間帯によって外れることになります。条文は練習に使う車種も、受けようとする免許ごとに指定しています。普通免許を受けようとする人は普通自動車で、というかたちです。
破ったときの重さが違う(118条1項)
同乗者を乗せずに練習すると、6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です(道路交通法118条1項6号)。標識を付けなかったときは5万円以下の罰金で(120条1項14号)、重いのは同乗者のほうです。
同乗者を乗せずに練習した
- 118条1項6号
- 6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金
標識を付けなかった
- 120条1項14号
- 5万円以下の罰金
重いのは同乗者のほう。標識は付け忘れが起きやすく目にも付くが、罰は軽い
標識は付け忘れが起きやすく目にも付きますが、条文が重く見ているのは隣に誰が乗っているかでした。自分の車で練習する場合は、標識を買うことより先に、隣に座る人が3年の条件を満たしているかを確かめることになります。
合宿免許での位置づけ
合宿では、第一段階の修了検定と学科試験に受かった時点で仮免許が交付されます。そこから第二段階の路上教習に入るので、仮免許は合宿の折り返し地点にあたります。
在籍中の路上教習では教習指導員が同乗するので、同乗者の条件は自動的に満たされます。条件が問題になるのは、合宿を終えて帰ってから自分で練習する場合や、途中で帰省して、その間に運転しようとする場合です。全体の流れは合宿免許の最短日数にまとめました。
外れやすいのは同乗者の要件です。家族の車で練習しようとして、隣に座る人が免許を取ってから3年に届いていなかった、という形になります。免許を持っていることと、3年以上経っていることは別の話です。
卒業証明書を受け取った後も、本免許の試験に受かるまでは仮免許のままです。試験場へ行くまでに間が空く場合、その間に運転するなら同乗者と標識の条件がそのまま続きます。卒業証明書には有効期間があるので、間を空けすぎると別の問題も出てきます。
期限との関係
仮免許の有効期間は6か月で、数え始めるのは交付日ではなく適性試験(視力などを見る検査)を受けた日です。そのため第二段階の途中で切れることがあります。本免許を受けた時点で、仮免許は6か月を待たずに効力を失います。
教習期限や検定期限とは起算点が違うので、まとめて覚えると取り違えます。4つの期限がそれぞれどこから数えられるのかは教習期限は9か月、仮免許は6か月に整理しました。延泊や再検定で日程が伸びたときに効いてくるのはこちらです。
教習所を通らない場合
指定自動車教習所(卒業すると技能試験が免除される教習所)を通らず試験場で受ける方法でも、仮免許は必要です。87条1項が、練習だけでなく運転免許試験で運転しようとする人にも仮免許を求めているためです。
指定を受けた教習所だと何が変わるのかは指定自動車教習所とは何が違うのかで条文をたどりました。技能試験が免除されるのは教習所の裁量ではなく、法律がそう定めているためです。
なお、仮免許を持っていた期間は優良運転者の5年には入りません。条文の括弧書きが「仮免許を除く」としているためです。数える起点はゴールド免許の条件は5年と無違反にまとめました。
期限の管理を自分でやらない形
仮免許の有効期間・教習期限・検定期限は起点が違うので、通いだと自分で数えます。合宿は日程がまとまっているぶん、期限の中に収まりやすい組み方になります。
記事末尾の表に挙げた合宿免許受付センターは、各地の教習所を取り次ぐ窓口です。公式サイトのよくある質問に「保証内容の範囲内でしたら追加料金はかかりません」とある一方、保証の範囲は教習所ごとに違い、本人都合の遅延と仮免学科試験は対象外と明記されています(2026年8月30日再確認)。保証の中身は、申し込む教習所のプランページで見てください。
同じ表の遠鉄自動車学校は、取り次ぐ窓口ではなく教習所そのものです。公式サイトの about ページに、静岡県公安委員会(免許を出している都道府県の機関)の指定を受けていると書かれています。指定を受けた教習所なら、修了検定に合格した時点で仮免許の学科試験へ進めます。どこで教習を受けても、上の同乗者と標識の条件は同じように働きます。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
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- 2件(法令 2)
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