一発試験で取るときに免除されないもの
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教習所に通わず、試験場で直接受けて免許を取る方法があります。費用が下がるので、合宿や通学と比べられることがあります。
ただ、比べる前に押さえておくことがあります。免除されるものと、されないものが条文で分かれているためです。このページは、その線引きを道路交通法から確認します。
原則は試験を受けること(道路交通法89条1項)
条文の組み立ては、教習所を通る道のほうが例外です。
全文を開く(228字)
免許を受けようとする者は、その者の住所地(仮免許を受けようとする者で現に第九十八条第二項の規定による届出をした自動車教習所において自動車の運転に関する教習を受けているものにあつては、その者の住所地又は当該自動車教習所の所在地)を管轄する公安委員会に、内閣府令で定める様式の免許申請書(次項の規定による質問票の交付を受けた者にあつては、当該免許申請書及び必要な事項を記載した当該質問票)を提出し、かつ、当該公安委員会の行う運転免許試験を受けなければならない。
免許を受けようとする者は運転免許試験を受けなければならない、というのが原則です。一発試験と呼ばれているのは、この原則どおりに進む道のことになります。一発免許という言い方も同じものを指します。
免除されるのは技能試験だけ(97条の2第1項)
教習所を卒業して免除されるのは技能試験だけで、学科試験は残ります。
免除の対象になる人は、97条の2第1項でこう定められています。
97条の2第1項を開く
第九十九条の五第五項に規定する卒業証明書(同項後段に規定する技能検定員の書面による証明が付されているものに限る。)を有する者で当該卒業証明書に係る技能検定を受けた日から起算して一年を経過しないもの又は同項に規定する修了証明書(同項後段に規定する技能検定員の書面による証明が付されているものに限るものとし、政令で定めるものを除く。)を有する者で当該修了証明書に係る技能検定を受けた日から起算して三月を経過しないもの
その人が免除される試験の範囲も書かれています。
当該卒業証明書又は修了証明書に係る免許に係る前条第一項第二号に掲げる事項についての運転免許試験
参照されている「第二号に掲げる事項」は技能にあたる部分です。教習所を出た人も、試験場で学科試験を受けることになります。
一発試験を選ぶ場合、この免除を使わないので技能試験も自分で受けます。学科は元から免除されないので、両方を受ける形になります。
指定自動車教習所を卒業
- 技能試験は免除される
- 学科試験は受ける
一発試験
- 技能試験を受ける
- 学科試験も受ける
違うのは技能試験だけ。学科はどちらの道でも受けることになる
一発試験でも仮免許は必要(87条2項)
教習所に通わない一発試験でも、先に仮免許を取る必要があります。見落とされやすいところです。
根拠は87条2項です。仮免許が要る場面として、練習だけでなく試験も挙げています。
87条2項を開く
大型自動車、中型自動車、準中型自動車又は普通自動車を当該自動車を運転することができる第一種免許又は第二種免許を受けないで練習のため又は第九十七条第一項第二号に掲げる事項について行う運転免許試験若しくは第九十九条第一項に規定する指定自動車教習所における自動車の運転に関する技能についての技能検定(次項において「試験等」という。)において運転しようとする者は、その運転しようとする自動車が大型自動車であるときは大型仮免許を、中型自動車であるときは中型仮免許を、準中型自動車であるときは準中型仮免許を、普通自動車であるときは普通仮免許を受けなければならない。
技能試験で運転するときも仮免許が要るので、まず仮免許の試験を受けて合格し、そこから本免許に進みます。
順番はこうなります。はじめに仮免許の学科試験と技能試験。そのあとに本免許の技能試験と学科試験です。受ける試験の回数はむしろ増えます。
仮免許を取ったあとに条件が付く
仮免許で公道を運転するときには、条件が付きます。隣に乗せる人は第一種免許で通算3年以上、または第二種免許で21歳以上である必要があり、前後に標識を付けることも義務です。
教習所に通っていれば教習指導員が同乗するので自動的に満たされますが、一発試験の場合はこれを自分で用意することになります。どんな条件かは仮免許の同乗者は通算3年以上、第二種なら21歳以上に整理しました。
本免許の技能試験を受けるには路上練習が求められ、その記録も必要になります。練習に使う車と、条件を満たす同乗者を確保できるかどうかが、実際に一発試験を選べるかどうかの分かれ目になります。必要な日数や記録の様式は都道府県によって案内が違うので、受験する試験場に確認してください。
費用が下がるぶん、どこに負担が移るか
試験場で受ける場合、教習料金がかからないぶん費用は下がります。かかるのは受験料と試験車の使用料、そして交付手数料です。
一方で、平日の日中に試験場へ通う必要があります。不合格なら再受験になり、そのたびに同じ日程を確保することになります。仕事や学校を持っている人にとっては、この時間のほうが実質の負担になります。
合宿を比べる相手として一発試験を置く場合、費用ではなく確保できる時間の形が違うという見方になります。合宿は短い期間にまとめて確保する形で、一発試験は平日を細かく何度も空ける形です。
取得時講習という別の負担がある
技能試験に受かった後にも、教習所を通った人とは違う手順が残ります。指定自動車教習所(卒業すると技能試験が免除される教習所)を卒業した人は、教習のなかで応急救護や高速道路の講習を受け終えています。だから試験に受かれば、そのまま交付に進みます。
一発試験で受かった場合、これらに相当する講習を別に受けることになります。実施しているのは各地の教習所などで、日程は自分で予約します。試験に受かってから講習の空きを待つ、という時間が発生する点は事前に見込んでおくほうがよいところです。
講習の名称や実施場所は都道府県によって案内が違うので、受験する試験場で確認してください。「試験に受かれば終わり」ではないという形だけ知っておくと、日程の見立てが崩れにくくなります。
免許を持っていた人は別の道がある
失効して取り直す場合は、また扱いが変わります。失効から6か月以内であれば学科と技能の試験が免除されるので、一発試験も教習所も経由しません。線引きは免許が失効したら|6か月と3年の線引きに整理しました。
期間を過ぎている場合は、初めて取る人と同じ条件になります。そこで一発試験と教習所を比べることになりますが、以前に運転していた経験があるぶん、技能試験の負担は人によって変わります。
教習所を選ぶ意味
指定を受けた教習所を出ると技能試験が免除されるのは、教習所の裁量ではなく法律がそう定めているためです。免除の根拠と、指定を受けた教習所が何を課されているかは指定自動車教習所とは何が違うのかで条文をたどりました。
料金の差は、この免除と、練習環境をまとめて用意してもらうことに対応しています。どちらが向いているかは、確保できる時間の形で決まります。
教習所に通って取る場合の日数は合宿免許の最短日数にまとめました。
まとめ
- 条文がまず言っているのは、運転免許試験を受けることです。教習所を通る道のほうが免除の規定にあたる
- 免除されるのは技能試験だけで、学科試験は誰でも受ける
- 一発試験でも仮免許は必要。試験において運転する場合も条文が仮免許を求めている
- 受ける試験の回数はむしろ増える
- 仮免許での練習には同乗者と標識の条件が付き、自分で用意することになる
- 費用は下がるが、平日の日中を何度も確保する必要が出てくる
- 失効して取り直す場合は、6か月以内なら両方が免除される別の道がある
比べるときは料金だけでなく、確保できる時間の形で見てください。
まとまった日数が取れるなら
一発試験が時間を細切れに使うのに対して、合宿は逆の形です。日程が最初から組まれているので、平日の日中を何度も空ける必要がありません。
記事末尾の表に挙げた合宿免許受付センターは、各地の教習所を取り次ぐ窓口です。公式サイトのよくある質問に「保証内容の範囲内でしたら追加料金はかかりません」とある一方、保証の範囲は教習所ごとに違い、本人都合の遅延と仮免学科試験は対象外と明記されています(2026年8月30日再確認)。
一発試験で受け直しが続くと費用が読めなくなるのと同じで、合宿でも保証の範囲の外に出ると追加が出ます。
指定自動車教習所そのものの遠鉄自動車学校も、保証の範囲を分けています。技能教習の追加や検定の不合格による延泊は「保証範囲内」としています。本人都合の教習キャンセルによる延泊は保証範囲外です。キャンセル料と別途の追加料金がかかるとしています(2026年9月5日確認)。
窓口でも教習所そのものでも、本人都合の遅れは保証の外という線は同じです。 申し込む教習所のプランページで、保証の中身を見てください。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
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- 1件(法令 1)
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