延泊と再検定はどこまで保証か
合宿免許の案内には「追加料金なし」「延泊保証」といった表示が並びます。比べるときに効いてくるのはここですが、保証の対象は窓口ごとに違います。
読み分けるには、まず「検定に落ちると何が必要になるのか」を知っておく必要があります。そこは法令で決まっていて、窓口の裁量ではありません。
落ちた翌日にすぐ受け直せるわけではない
卒業検定について、条文はこう定めています。
卒業検定に合格しなかつた者に対しては、その者が更に一時限以上の技能教習を受けた後でなければ次の卒業検定を行わないこと。
修了検定にも同じ規定があります。
修了検定に合格しなかつた者に対しては、その者が更に一時限以上の技能教習を受けた後でなければ次の修了検定を行わないこと。
つまり、落ちたら再検定の前に技能教習を1時限以上受ける必要があります。再検定だけを申し込んで終わり、という形にはなりません。
ここから、落ちたときに発生するものが3つに分かれます。
| 発生するもの | 中身 |
|---|---|
| 補講 | 再検定の前に必要な技能教習(1時限以上) |
| 再検定料 | 検定をもう一度受ける費用 |
| 延泊 | 日程が伸びるぶんの宿泊と食事 |
「追加料金なし」がこの3つ全部を指しているとは限りません。補講だけ無料で再検定料は有料、という組み合わせもあり得ます。
保証を読むときに見る4点
窓口の記載を見るときは、次を確認してください。
- 対象 — 補講・再検定料・延泊のどれが含まれるか
- 回数 — 無制限か、上限があるか
- 年齢や条件 — 「◯歳以下に限る」といった条件が付くことがある
- 食事 — 延泊中の食事が含まれるか、宿泊だけか
年齢条件が付くのは珍しくありません。条件が書かれているのに「追加料金なし」だけを見て申し込むと、対象外だったときに想定していなかった費用が出ます。
なお、当サイトでは料金を掲載する場合、表示額に含まれるものと別途かかるものを分けて書いています。金額だけを並べても比較にならないためです。
落ちる前提で日程を見る
合宿の最短日数は法令で決まるで書いたとおり、案内に出ている最短日数は一度も検定に落ちない前提の数字です。
合宿は帰りの交通手段を先に決めることが多いので、日程が伸びたときの影響が通学より大きく出ます。
- 帰りの切符や航空券を取り直すことになる
- 仕事や学校の予定に食い込む
- 宿泊先が延長できるかは窓口の手配しだい
延泊が無料でも、それ以外の予定は自分で調整することになります。最短日数ではなく、数日の余裕を見て日程を組むほうが現実的です。
教習期限との関係
検定に落ちて日程が大きく伸びた場合でも、教習期限に触れることはまずありません。普通免許の教習期限は9か月あるためです。
ただし、いったん帰宅して後日受け直す形にすると話が変わります。仮免許の有効期間は6か月で、しかも起算点が交付日ではありません。期限の数え方は教習には期限が4つあるにまとめています。
修了検定と卒業検定では重さが違う
同じ「検定に落ちる」でも、どちらで落ちたかで影響が変わります。
修了検定で落ちた場合は、まだ仮免許を持っていません。仮免許が無いと路上教習に進めないので、第二段階がまるごと止まります。合宿の日程は第二段階のほうが長いため、ここでの遅れは後ろに全部ひびきます。
卒業検定で落ちた場合は、すでに仮免許を持っています。教習そのものは終わっているので、必要なのは補講と再検定だけです。ただし仮免許には有効期間があり、しかも起算点が交付日ではありません。期限の数え方は教習には期限が4つあるにまとめています。
不合格ではなく「中止」になることがある
検定は最後まで走りきって採点されるとは限りません。危険な行為があった場合、その場で検定が打ち切られます。
打ち切られた場合も結果は不合格なので、再検定の前に技能教習を受ける必要があるのは同じです。保証の条件に「中止」の扱いが書かれているかは確認しておいてください。「不合格の場合」としか書かれていないと、解釈が分かれる余地が残ります。
補講が必要になるのは検定に落ちたときだけではない
技能教習には各段階の終わりに教習効果の確認があり、そこで良好と判定されなければ次に進めません。検定より手前の段階で、追加の技能教習が必要になることがあります。
保証の記載が「検定に落ちた場合」と限定されていると、この段階での追加教習が対象に入らないことがあります。補講という言葉が何を指しているのかは、窓口によって違います。
問い合わせるときは「検定の再受験だけでなく、教習が追加になった場合も対象ですか」と聞くと、範囲がはっきりします。
保証があっても自己負担になるもの
延泊が無料でも、日程が伸びたときに自分で払うものは残ります。
- 帰りの交通機関の変更手数料
- 延泊中の食事(保証の対象外の場合)
- 仕事や学校を休むことの影響
保証の範囲は教習所の中で完結します。 教習所の外で発生する費用はどの窓口も見てくれません。ここを見落とすと、「追加料金なし」のはずが数万円の持ち出しになることがあります。
帰りの切符を早めに取ると安くなりますが、変更に手数料がかかる種類のものだと逆に高くつきます。日程が読めないうちは、変更しやすい手段を選ぶほうが結果的に安く済むことがあります。
申し込む前に聞いておくこと
窓口に確認するなら、次の聞き方が具体的です。
- 「検定に落ちた場合、補講と再検定料と延泊のどれが無料になりますか」
- 「回数の上限はありますか」
- 「延泊中の食事は付きますか」
- 「帰りの交通費が変わった場合の扱いはどうなりますか」
「追加料金なしですか」と聞くと「はい」と返ってきます。何が対象なのかを分けて聞くと、条件が見えます。
保証以外に確認しておくことは合宿免許を申し込む前の確認にまとめています。